◆女性宮家の創設を巡って、有識者からのヒアリングが始まりました。第一回のヒアリングでは女性宮家に肯定的な意見が示されたとのことです。新聞報道では、こうした肯定的な意見に対し、「男系でつむいできた皇室の根本原理が崩れる危険性はないか(安倍晋三元首相)」という懸念もある、と賛否両論あることが示されています。

    ◆しかし、女性宮家に懸念を示す代表的な反論として、常に安倍元首相の名前が挙がっていますが、こう申し上げては失礼ですが、安倍元首相くらいしか反論はないのではないでしょうか?

    ◆もちろん、少なからず懸念を示される方はいるでしょう。しかし、報道では「代表的な方」として安倍元首相の名前が常に挙がりますが、あえて賛否両論を併記するために、元首相の名前が登場しているようにも見えます。男性宮家しか認めないのであれば、将来秋篠宮家以外、宮家は断絶するという事実は変わりません。「皇室の根本原理」の前に、「皇室の存亡」の問題です。

    ◆男系ということは、父親が皇族である必要があります。ほとんどの宮家のお子様が女性である以上、女性宮家を認めず、「男系でつむぐ」ためには、終戦後、皇室を離れられた旧宮家の方をお迎えする以外に手はないはずです。しかし、これは国民の心理としてどの程度受け入れられるか疑問です。

    ◆かつて、徳川家では第13代将軍家定(篤姫の旦那様)の跡継ぎを巡って、大きな議論が起こりました。歴史の教科書では英邁で薩摩藩など外様の雄藩に支持された一橋慶喜が、守旧派の譜代大名に退けられ、幼少の徳川家茂が跡継ぎになります。時の大老、井伊直弼の都合のよい将軍が据えられたかのように描かれがちですが、この跡継ぎ問題の決着は明確な筋論に基づいています。

    ◆一橋慶喜は水戸徳川家の出身であり、水戸家は徳川家康の子の血筋というだけで、徳川家定とは同じ徳川家でも250年以上前まで遡って初めて親類といえる程、疎遠な関係でした。一方の家茂は、家定の従弟にあたり、譜代大名は将軍の血筋に最も近い人物を将軍に据えた、だけだったのです。

    ◆徳川家ですら、徳川家康の血筋よりも、現将軍の血筋を優先したのですから、皇室ともなれば、いわんや即位の可能性を持つとなれば、終戦後、皇室を離れた血筋の方が、仮に男系であっても、国民に受け入れられるのか極めて疑問です。その意味では、女性であっても、現在の宮家の方に宮家を継いでもらう方が自然だと考えます。

    ◆男系の皇統という歴史か、男尊女卑を許さないというフェミニズムか、という対立の構図を描くことは簡単ですが、おそらく、その議論は平行線のままでしょう。相容れることのない価値観の対立です。それよりも、将来、秋篠宮家しか残らないという現実の方が問題視されるべきです。仮に皇太子さまが即位され、さらに秋篠宮家に皇位が移れば、宮家は絶滅してしまいます。

    ◆軽々に決すべき問題でないとは思いますが、実はある程度答えの見えている、しかし、反対論を封じ込めるために、複雑な手順を踏んでいるだけの問題であるように筆者には見えます。安倍元首相の反対意見は、特に過大視する必要はないと考えます。



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    2012.03.02 Fri  - 保守・リベラル -   コメント 0件

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