◆地方自治体の長が政治的な発信力を高めるということは、基本的には良いことだと思います。日本のように中央官庁が強力な権限を持ってきた国で行財政改革を推し進めようという時には、地方の視点で国の行政のムダを指摘し、二重行政の解消や国と地方の役割分担の見直しによって、日本の行政全体とスリム化できるはずです。

    ◆その意味で、橋下市長や河村市長の政治的活動は、ある程度、期待してみたいと考えていましたが、昨今の騒動は目に余ります。

    ◆君が代斉唱時の不起立は筆者も余り賛同していませんが、市長の対応はことさら、その対立を煽るものです。地域によっては、卒業式の開始後、君が代が終わるまで立ちっぱなしという所もあるそうです。立ちっぱなしですから、君が代斉唱時に、わざわざ座る教員はいません。従って、不起立というトラブルは発生していない、という地域があるのです。

    ◆市長の取り組みは、わざわざ一度着席させて、君が代斉唱時に起立させる方式、いわば踏み絵と同じやり方です。そこで、教員の思想信条を試そうという取り組みですから、あまり建設的とは思えません。そもそも、ここまで国民の一部に強い反対がある歌が本当に国歌でよいのか、生徒は疑問に思うのではないでしょうか?市長の対応は、君が代推進の観点からも疑問です。

    ◆南京事件についても、「被害者数については歴史学者の研究により諸説あるようだが、虐殺があったことについては遺憾に思う」と述べればよいのではないでしょうか。相手に配慮した物言いができないのなら、南京市と友好都市を結ぶべきではありませんし、友好都市の市長には相応しくありません。何より、南京事件の問題は名古屋市政に何の関係もありません。

    ◆問われるのは有権者です。分かりやすい対立軸を示され、「果敢に立ち向かう勇ましい市長」というポーズを見せられた際に、中身も吟味せずに、その声の大きさ、凛々しさ、勇ましさを支持しているだけでは、ある日、よく分からない政治が行われている可能性があります。小泉元首相も同様の手法で支持されましたが、その政治結果である後期高齢者医療制度には反発が根強い。

    ◆「船中八策」「普天間基地機能の県外移設」など、橋下市長は大阪市政と関係の薄いマニフェスト作りに励んでおられますが、民主党マニフェストの失敗を見ても、一体そのマニフェストのうち何が実現可能で、何を優先するのか、優先順位をはっきりさせるべきです。実現が難しいものを優先しても政治は停滞しますし、実現可能でも優先順位が低い政策なら期待薄といえます。

    ◆君が代斉唱時の起立徹底は市長が率先してやる程の仕事ではなく、各学校の校長に任せればよい話です。南京事件に至っては、なぜ、こんな問題が持ち上がるのかも意味不明です。何より、これらは現在の日本の政治課題の中で優先順位は低いと考えます。

    ◆市長とはそんなに暇なのか?と、市長職自体の必要性を疑います。ご自身のポストをリストラすることが、案外、最大の行政改革かもしれませんが、いかがでしょう?




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    2012.02.24 Fri  - 政治 -   コメント 0件

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