【物価は下落したのか?】

    ◆改めて、デフレについて考えます。1995年から2009年にかけて、物価は0.89%下落しました。物価下落という意味では、明らかにデフレです。しかし、平均所得は1995年が約659万円、2009年は約549万円で16.68%も下落しています。物価下落以上の賃金の下落が発生したということは、物価は下落したというよりも、生活実感としては上昇しているといえます。

    ◆高度成長期はインフレでしたが、インフレ率を上回るペースで、賃金が上昇していました。ということは、相対的にモノの値段が下がっていたことになります。その結果、インフレであっても、生活は豊かになっていました。1995年以降の数値は、これとは逆に、物価下落を上回るペースで賃金が下落したため、相対的にモノの値段は上がり、生活は貧しくなったことになります。

    ◆この平均所得は名目値ですから、GDPも名目値で比較してみましょう。1995年のGDPは約501兆円、2009年のGDPは約471兆円で、GDPの下落幅は約5.99%です。税収は1995年に51.9兆円あったものが、2009年には38.7兆円で、その下落幅は約25.43%にもなります。1995年はいまだ消費税率が3%であったにもかかわらずです。

    ◆1995年以降、物価が上昇した年もあれば、下落した年もありますが、購買力という視点を加味すれば、一時期の物価上昇・下落はそれほど意味のあるデータとはいえません。一方で、GDPの下落幅が5.99%でありながら、賃金が16.68%も下落したということは、富の分配の仕組みに重大な欠陥があるといえます。しかも、税収の減少は税制に問題があると言えます。

    ◆現在、消費税の増税が検討されていますが、消費税は低所得者にも負担増を求めるもので、かつ、低所得者への負担の逆進性(低所得者ほど税負担の割合が上昇する)が問題視されています。一貫して平均所得が減りながら、低所得者に負担増を求める税制改革は本当に妥当なのでしょうか?

    ◆アメリカのFPBは目標インフレ率を設定しましたが、我々は99%である、としてウォール街を占拠するような抗議行動が起こりながら、失業率の目標数値を設定せず、物価上昇率だけを目標にする手法は本当に妥当か疑問です。また、物価は金融政策で決まるものではありません。物価が総需要と総供給の一致した時に決まることは、経済学の教科書の冒頭に出てきます。

    ◆平均所得が低下している社会では必然的に需要も小さくなります。従って、供給側は物価を落として対応せざるを得ません。一部の商品の物価が下落した場合、消費者は物価下落によって浮いたお金を他の消費に充てることができるでしょう。しかし、平均所得が下がっているということは、そもそも浮いたお金が発生していないということです。

    ◆従って、需要の減少は物価の下落を招き、賃金の下落を惹き起し、再び需要を減少させる。一般的なデフレスパイラルの構図です。しかし、これは物価の上昇によって解決できるのではありません。物価下落の原因は需要にあります。縮んだ需要に対応するために物価を下げている産業もあれば、新興国の台頭によって価格が下げざるを得ない産業もあります。

    ◆問題は、価格を下落させても一向に需要が上向かないことにあります。逆にいえば、需要が上向けば物価は上昇するといえます。2000年代の景気拡大期には、企業の設備投資が進み、円安による外需の拡大もありました。これらは需要の拡大によってもたらされたものです。物価の上昇はその結果です。


    【金融政策の効果とは?】

    ◆2000年代の景気拡大期に、日銀が量的緩和政策を採用していました。そのため、物価上昇は金融政策によってもたらされたものという見方がありますが、筆者はこの考え方に否定的です。量的緩和政策は不良債権問題を解決することには寄与しましたが、物価に与えた影響は限定的だと考えます。

    ◆この理由は物価と市中に出回る通貨の総量(マネーサプライ)の関係にあります。マネーサプライが増加すれば、通貨の価値は下落し、物価は上昇するという理論(貨幣数量説)がありますが、この説には大きな問題があります。先日来、ご紹介してきた岩田氏の著作では、単純な貨幣数量説は否定していますが、やはり通貨の量と物価には関連があるという見方に立っています。

    ◆しかし、経済の歴史を紐解くと、物価が上昇した時に、通貨の価値が下落し、通貨の量が増えることはありますが、通貨が増えれば、通貨価値が下がり、物価が上昇するという歴史はありません。物価が上昇すれば通貨の価値は下がりますが、通貨の価値が下がるので物価が上昇するのではないのです。

    ◆かつて、世界の通貨は金本位制のもとに管理されていました。通貨(紙幣)はあくまでも金準備額によって、その価値を裏打ちされているという考え方です。通貨を所持する人は、通貨を金と交換する権利を持っていました。従って、中央銀行が金の総量を上回る通貨を発行すると、通貨の価値が下落すると考えられていたのです。

    ◆ところが、第1次大戦期や世界恐慌以降、世界各国は金本位制を離脱します。これは通貨をめぐる考え方を一変する出来事です。世界は金準備額を上回るペースで、通貨を発行できるようになりましたが、では通貨の価値は理論通りに下落したでしょうか。実際は、一般庶民の生活に大きなダメージを与えませんでした。逆に、金の価値が下がったのです。

    ◆では、金本位制とは何だったのでしょうか。金本位制の社会では、金が通貨の価値を定めていましたが、実際は通貨が金の価値を定めていたのです。つい最近まで金の価格は高騰していましたが、今は下落傾向にあります。現在では通貨が金の価値を定めていることに誰も異議をはさまないでしょう。

    ◆日本でも、かつて江戸時代、庶民は藩札を使用していました。忠臣蔵を例にすると、浅野家がお取り潰しになる際、大石内蔵助は赤穂藩札を額面の4割で両替に応じたそうです。これは100万円の赤穂藩札を40万円の日本銀行券に交換したということです。60万円の損ですが、両替に応じなければ、赤穂藩のお取り潰しとともに赤穂藩札は紙くずですから領民は喜んだそうです。

    ◆ここで重要なことは、赤穂藩札をなぜ額面4割で交換したのかということです。理由は簡単で、全額日本銀行券に交換できる準備が赤穂藩になかったからです。それでも、赤穂藩がお取り潰しにならない限り、赤穂藩札は十分に機能していたということです。重要なことはまず物価があり、そこに通貨が加わるということです。物価によって通貨の価値は決まるのです。

    ◆金本位制を採用する国では、金の総量を上回るペースで通貨が増えると、金融を引き締め、通貨の増加を防ごうとしました。しかし、経済が成長し、今までよりも多い生産が可能になると、必然的に通貨は増えざるを得ません。金本位制の放棄とは、中央銀行が通貨の量をコントロールできないことも意味しています。

    ◆通貨は物価が上がり、富が蓄積されればされるほど、必要になります。通貨はメートルやグラムと同じ、測量単位としての性格が強いのです。その通貨をコントロールするということは、実体経済(生産や消費そのもの)をコントロールすることと同じです。中央銀行の金融政策は、実体経済に多少なりとも影響を与えるでしょう。しかし、完璧なコントロールは難しいのです。

    ◆アメリカが目標インフレ率を設定しながら、失業率の目標を設定できない理由は、この金融政策の限界に帰結します。物価上昇を止めようとすれば、高率の金利を課すことで、需要そのものを冷やすという手段が可能ですが、物価下落の抑止は、金利をゼロ以下に設定できないために、限界が発生します。インフレは止められても、デフレの防止を保証できないのです。

    ◆岩田氏は、ここで期待インフレ率を上昇させる、金融政策への信頼醸成が不可欠という主張を展開していますが、期待インフレ率の上昇は金融政策への不信があっても発生するでしょう。その場合とは、財政政策等で将来の需要増が明白な時です。1930年代の世界恐慌からの脱却は、いずれも財政政策によるものです。正確には需要を拡大させる政策が効果を発揮しました。

    ◆経済現象を分析するとマネタリーベースが増えている時に、マネーサプライは増えているように見えますが、これはマネーサプライが増えたから、マネタリーベースも増えているのであって、逆ではないのです。従って、量的緩和政策を実施している時に、マネタリーベースが増えても、思うようにマネーサプライは増えませんでした(効果がゼロだということはありませんが)。

    ◆では、金融政策とは何に効果があるのでしょうか。金融緩和そのものにも、もちろん意味はあります。投資を促進する効果はあるでしょう。しかし、あくまでも「機会の提供」にすぎません。そのチャンスをものにするかは、実際の投資家の行動にかかっています。


    【天動説から地動説へ】

    ◆日本における経済の問題は、冒頭に記載した通り、富の分配、再分配にあります。平均所得が下がっている社会において、需要を増加させることは困難です。この社会ではデフレは当然で、デフレ以上に所得の減退が問題です。

    ◆ここで、ではなぜ日本だけがデフレなのかという問題を考える必要があります。平均所得の下落はアメリカでも発生していました。そのアメリカはデフレになっていません。先程も記載した通り、インフレということは需要が高水準にあり、その結果として物価が上がっているということです。

    ◆「なぜ日本が?」という考え方は非常に謙虚な考え方です。世界経済という中心の周りを日本経済が回っているという「地動説」に従った視点です。しかし、「天動説」に立って、世界経済を見てみると見方は一変します。なぜ、アメリカはインフレだったのでしょう?

    ◆アメリカでは平均所得が下がりながら、住宅投資は過熱しました。その結果、金融機関が貸した住宅ローンを返済できないという事例が相次ぎます。サブプライムローンの破綻とは、返せない相手に投資したために起こった現象です。南欧諸国の国債危機も、返済能力のない国に投資した失敗が招いた現象です。

    ◆日本のデフレが異常なのではなく、世界のインフレがむしろ異常と見ることができます。アメリカはデフレの一歩手前で、FRBはデフレ潰しにやっきです。しかし、目標インフレ率を設定するという話題の政策を実施したようですが、実際は政策金利をゼロに据え置いただけです。金融政策の実体は変わっていません。注目すべきは、むしろオバマ大統領の雇用政策でしょう。

    ◆日本の超円高も、超円高の説明を試みるより、天動説に立って、ドル安、ユーロ安を論じる方がはるかに簡単です。ドル安、ユーロ安は、アメリカ、EUの実体経済への不安という明確な理由があります。世界が同時に通貨安競争を展開した場合に、はたして円は値下がりするでしょうか?2000年代の円安は、むしろ欧米経済の好調によるドル高、ユーロ高が原因と考えます。

    ◆金融によって日本経済を好況に導こうとするならば、それは賢い投資が進む以外にありません。しかし、これは政府や日銀が主導できることではないでしょう。政府ができることは、積極的な富の分配の是正です。GDPの分配のあり方を是正すべきですし、落ち込んだ税収を低所得者の負担増(消費税増税)で補おうとする政策には問題があると考えます。

    ◆経団連は労働者の賃金増を渋り、法人税の減税を求めていますが、日本の富の分配がこれほどまでに歪んだ事実をどのように考えているのか、もっと疑問視されるべきです。富の分配を正し、社会保障制度への不信を払しょくしていくことが、需要増につなげる一つの道だと筆者は考えます。



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    2012.02.03 Fri  - 経済 -   コメント 7件

    コメント

    No title
    >しかし、
    >通貨が増えれば、通貨価値が下がり、物価が上昇するという歴史はありません。物価が上昇すれば通貨の価値は下がりますが、通貨の価値が下がるので物価が上昇するのではないのです。

     1973年の日本の狂乱物価、西ドイツのマルクの場合は、上記事例の通りの現象です。

    「固定相場制維持」のため、

    通貨増→通貨価値下落(円売り・ドル買い)→物価上昇

    です。

    1 「インフレは、貨幣的現象である」は、実証的にも理論的にも合意ができていますが、「デフレは貨幣的現象ではない」というのは、どのような理由(理論)によるものなのでしょうか?

    2 デフレは「供給>需要」という、財市場の要因を示しています。
     では、財市場と貨幣市場を同時に考える、「一般均衡論」では需給はどのようになっているのでしょうか?

    2012.02.07 Tue l 大学生. URL l 編集
    No title
    当方で議論が噛み合わないなど、いろいろとご迷惑をおかけしております。
    また混乱の元になるかもしれませんが、噛み合うように努力しますので質問や意見させてください。


    >富の分配を正し、社会保障制度への不信を払しょくしていくことが、需要増につなげる一つの道だと筆者は考えます。

    それが一つの道という結論は同意です。


    平均所得は厚生労働省のデータだと思われますが、全世帯所得平均ではないでしょうか。
    人口が減少している中で、世帯は微増していることから核家族化や一人世帯の増加から世帯当たりの給与は減少が考えられます。

    またここで給与が減ったのは、1997年頃の不況による雇用調整によって、当時その対象者だった50代以上の方の所得ダウンが効いているかと。
    むしろ、30~40代の正社員は変わらずか、増加を経験しているかもしれません。
    その一方で非正規雇用が1/3を占めるような現状では、増加しにくいと思います。(データないので信用性はありませんが、派遣は意外と給与は多い。給与が減少したのはアルバイトやパートという形態の雇用が増加したかもしれません)

    ということから、雇用者所得の平均のほうが良いと考えます。すると、11.6%減少。参考までに2008年だと5.9%。
    http://nensyu-labo.com/heikin_suii.htm

    物価指数は0.4%減少。コアコアで-2.3%。GDPデフレーターで12.5%。

    名目GDPも1995年は495兆円、2009年471兆円というサイトもあります。
    http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp.html#index02
    こちらのデータから4.8%減少。2008年だと1.8%増加。

    ですが、Liberalist77さんの、「問題はGDPの分配にある」という指摘には影響しません。
    補足3のエントリで書かせてもらったように、GDPと平均給与の乖離が見られますので。

    デフレの原因に、日銀が物価安定をコアCPIでみているゼロ物価目標的な金融政策があります。
    例えば2006年は、物価上昇傾向による量的緩和解除、ゼロ金利解除を行いましたが、元々、資源価格上昇による物価高傾向だったので、資源価格の減少に伴い、物価指数はまたマイナスになってしまいました。

    需用が先か、物価上昇が先かという問題も、金融政策が紐のように引くことはできても押せないということから、引き締め効果は認めていると思います。
    上記のように、日銀はゼロ物価目標ともいえる引き締めを行っています。これが物価上昇しない理由ともいえます。

    1933年アメリカの金本位制からの離脱による金利低下でマネーサプライが拡大しました。
    その後37年にGNPは低下して、軍事費の拡大、つまり財政政策による大恐慌の脱却の説がありますが、実は37年に金融を引き閉めたことがその原因だそうです。
    38年に金利を引下げるとGNPが回復したのが、その根拠としています。原田泰著「日本はなぜ貧しい人が多いのか」参照。

    日本はデフレでも消費は横這いか微増傾向です。
    ところが投資が増加(需要増のインフレ要因)しそうになると、引き締めといったネガティブな予想が投資を妨げていると考えられます。

    長くなってしまいすみません。
    まとめると賃金低下をみるのに、世帯収入は本質を(というほどでもありませんが)見誤るのでは?
    物価上昇しないのは、金融政策による引き締めがあるからなのでは。
    2012.02.07 Tue l ラヴログ. URL l 編集
    Re: No title

    コメントありがとうございます。

    >>しかし、
    >>通貨が増えれば、通貨価値が下がり、物価が上昇するという歴史はありません。物価が上昇すれば通貨の価値は下がりますが、通貨の価値が下がるので物価が上昇するのではないのです。

    >1973年の日本の狂乱物価、西ドイツのマルクの場合は、上記事例の通りの現象です。
    >「固定相場制維持」のため、
    >通貨増→通貨価値下落(円売り・ドル買い)→物価上昇
    >です。

    狂乱物価はオイルショックによる資源高や列島改造ブームによる需要増が引き起こしたもので、通貨価値の変動は原因ではなく、結果だと考えます。

    また、仮にご指摘の通り、狂乱物価が通貨価値の変動によるものであれば、量的緩和を行い、円安だった時期に、なぜデフレから十分な脱却ができなかったのか、理由が不明確になります。


    >1 「インフレは、貨幣的現象である」は、実証的にも理論的にも合意ができていますが、「デフレは貨幣的現象ではない」というのは、どのような理由(理論)によるものなのでしょうか?

    「実証的、理論的に合意」というご意見ですが、何か根拠があるのでしょうか?日銀の白川総裁はご指摘の考え方に否定的で、合意ができているとはいえないと考えます。逆に、デフレは貨幣的現象であるとして、野口悠紀雄氏は、現在の物価下落を正確にはデフレではない、という主張を述べているケースもあります。

    インフレ・デフレの定義については諸説あるようですが、筆者は経済活動の結果、物価は決まり、その増加・下落によって、通貨価値は変動すると考えています(通貨価値の変動はあくまでも結果という考え方です)


    >2 デフレは「供給>需要」という、財市場の要因を示しています。
    >では、財市場と貨幣市場を同時に考える、「一般均衡論」では需給はどのようになっているのでしょうか?

    コメントいただいた方のお考えがよく分からないのですが、このご質問ではモノ・サービスの需給ギャップがデフレの原因とお考えなのでしょうか。であれば、筆者はこのご意見には賛同です。

    また、ご質問の「需給」とは「どのように均衡しているか?」というご質問でしょうか?

    金融政策を考慮に入れないならば、財市場の縮小に伴い、貨幣の取引需要も低下し、利子率が低下したポイントで均衡していると考えます。



    2012.02.07 Tue l Liberalist77. URL l 編集
    Re: No title
    コメントありがとうございます。
    ラヴログさんにはご負担ではないか、と恐縮なのですが、私は貴重な勉強をさせていただいております。
    心から感謝申し上げます。

    頂いているご意見にお応えしたいのですが、本日から再び義母の実家に行く必要があり、
    ご返信に少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか?

    非礼ばかりで誠に申し訳ありません。何卒ご容赦いただければ幸いです。
    貴重な意見交換をさせていただいており、ぜひ、こちらも改めて返信させていただきたいと考えております。
    何卒、よろしくお願いいたします。


    2012.02.08 Wed l Liberalist77. URL l 編集
    No title
    ちょっと書き方を間違いました。

    >2 デフレは「供給>需要」という、財市場の要因を示しているとあなたは言っています。

     では、財市場と貨幣市場を同時に考える、「一般均衡論」では需給はどのようになっているのでしょうか?

    です。

    >狂乱物価はオイルショックによる資源高や列島改造ブームによる需要増が引き起こしたもので、通貨価値の変動は原因ではなく、結果だと考えます。

     需要増に見合う、カネはどこから降ってきたのですか?カネの量「マネーストック」が一定で、どうやってすべての物価が上昇(インフレ)できるのですか?

     一知半解な理解です。
     当時のベースマネーと、マネーストックは調べた上で言っているのですか?

    >量的緩和を行い、円安だった時期に、なぜデフレから十分な脱却ができなかったのか、理由が不明確になります。

     それこそ、あなたの言う流動性の罠でしょう。だから、―財市場と貨幣市場を同時に考える、「一般均衡論」で考えると、需・供はどのようになっているのでしょうか? ―と聞いているのです。「一般均衡論」を知らないのですか?

    >>1 「インフレは、貨幣的現象である」は、実証的にも理論的にも合意ができていますが、「デフレは貨幣的現象ではない」というのは、どのような理由(理論)によるものなのでしょうか?

    >「実証的、理論的に合意」というご意見ですが、何か根拠があるのでしょうか?日銀の白川総裁はご指摘の考え方に否定的

     日銀の白川総裁は、「デフレ」を克服するための貨幣的現象」を否定しているだけで、「インフレの貨幣的現象」については、経済学では合意事実です。

     ですから、中央銀行が、政策手段で、マネーをコントロールして、「物価の安定」=「通貨価値の安定」を行っているのです。

     「インフレは貨幣的現象」を否定するのなら、すべての中央銀行の政策金利のコントロール、・売りオペ買いオペ政策は、何をやっているのか、まったくの無価値になります。中銀そのものの存在が不要になりますよ。

     ですので、「インフレは貨幣的現象」なのに、「デフレだけはそうではない」というのは、どうしてですか?と聞いています。「野口先生がそう言っている」ではなく、理論と実証を教えてください。


    2012.02.08 Wed l 大学生. URL l 編集
    Re: No title
    ご指摘ありがとうございます。

    知識の欠如について、見栄を張るつもりはありませんので、ぜひご高説を賜れればと思います。何卒、よろしくお願いいたします。
    2012.02.08 Wed l Liberalist77. URL l 編集
    Re: No title
    ラブログさん

    コメントありがとうございます。当方のブログ記事「金融の現場からデフレを考える」にて、日銀の金融引き締めに対するご意見への当方の考えを記載させていただきました。当方としては、日銀の金融緩和策は対策としては十分だったのではないかと考えています。ただ、ご指摘の通り、一時的な資源高でゼロ金利政策等を解除した時期については、確かに疑問を感じています。

    雇用者所得については、完全に記載を漏らしてしまいましたが、ご指摘の通りだと考えています。ただ、ご意見にあった、物価指数とGDPデフレーターは随分開きがあると感じています。数値データを疑っているということではなく、なぜ、そうなっているのだろうと考えながら、現在も明瞭な答えを自得できていません。

    通貨価値は実際どうなったのだろうと考えています。物価が下落しても、所得がそれ以上に下落していれば、実質的には物価は上昇しているのでは?という考えを記載しましたが、GDPデフレーターが少し引っかかっています。すみません、これは私の問題なのですが・・・。






    2012.02.10 Fri l Liberalist77. URL l 編集

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