「その1」より続き

    ◆野口氏は「サービスの価格はほとんど低下しなかった」とし、岩田氏は「非輸入競争財の価格までも軒並み下がっている」としています。岩井氏の著書には見られませんが、野口氏の著書では実際に品目別に価格下落の状況を示しています。以下は、その表です。

       H24.1.24物価下落に関するグラフ


    ※表やグラフの解釈は本稿の主題の一つですが、グラフそのものの信用性は本稿では問いません。岩田氏の著作におけるグラフについて、その解釈の仕方に筆者は疑義を示しましたが、岩田氏が著書に掲載されたグラフの数値は疑っていません。両著書を極力公平に比較する趣旨から、その点をお含みおき願います。

    ◆上記グラフによれば、工業製品・耐久消費財の価格下落が著しく、逆にサービスの価格は上昇してはいませんが、ほとんど下落が見られません。このグラフは巻頭に記載されていることからも、野口氏の主張の根幹をなしていると考えられます。野口氏は第1章で、デフレについて次の通り記載しています。

     日本で1990年代以降生じしている物価の下落を「デフレ」と呼ぶことが、ごく一般的だ。これに異を唱えるのは、いたずらに混乱を招くだけだろう。そこで、本書においては、やむを得ず、本来はデフレではない現象を「デフレ」と呼ぶことにする。そして、本来のデフレを「教科書的な意味の一様な物価下落」と言うことにする。

    ※野口氏の定義付けが正しいかは本稿では断じ得ませんが、本稿では、野口氏の用語の定義にしたがい、「デフレ」と「教科書的な意味の一様な物価下落」を使い分けることとします。

    ◆野口氏は、議論の混乱を避けるためにデフレという言葉を著書内で使用していますが、上記のグラフが示す通り、「教科書的な意味の一様な物価下落」が発生していないことをもって、現在の経済情勢は、本来はデフレではない、と考えています。一方、岩田氏の著書では、このようなデフレの定義の根幹には触れられておらず、デフレは前提条件として主張が示されます。

    ◆デフレを巡る解釈は他にもあるかもしれませんが、少なくとも両氏の主張は真っ向から対立し、二通りに分かれています。どちらの主張を信じ、経済の問題を読み解くべきでしょうか。

    ◆先日の「デフレをめぐる二つの解釈 -1-」において、新興国の成長に伴う工業製品の物価下落がデフレを招いているという野口氏の指摘に対し、コメントをいただきました。その内容は、アメリカも同条件であるにもかかわらず、デフレになっていないというご意見でした。これについても、野口氏は見解を著書の中で示しています。

    ◆野口氏は工業製品等の物価下落の原因を新興国の台頭に求めました。これはアメリカでも同じように発生しています。しかし、アメリカでは物価下落によって生じた実質的な貨幣供給量の増大が利子率を引き下げ、住宅投資や設備投資に向かったことで、物価下落は生じなかった。また、製造業の比率が日本よりも低いため、賃金の下落も大きな影響を与えなかったとしています。

    ◆この考え方は岩田氏の著作にも共通します。岩田氏は、新興国の台頭により物価下落が生じた場合、その分、消費者の手元資金には余裕ができるため、他のサービスを購入するといった動きが生じる。従って、物価が下がるものもあれば、上がるものもあるはずだ、という考え方を著書で示しています。野口氏は、この現象がアメリカでは発生したと指摘しています。

    ◆では、なぜ、日本では工業製品等の物価下落により、他のモノ・サービスを購入し、それらの物価が上がるという現象が起きなかったのでしょうか。野口氏の示したグラフにもかかわらず、岩田氏は「サービスの価格も軒並み下落した」として、デフレの原因は貨幣的現象としています。おそらく、野口氏とは別のデータでサービスの価格も下落したということなのでしょう。

    ◆経済現象の捉え方に対する両者の考え方の相違は、両者の直接の議論を聞かねば分かりませんが、野口氏は上記のグラフに従い、価格下落は新興国の台頭によって引き起こされたとしています。その一方で、アメリカのように価格が上昇するモノ・サービスが出現しなかった理由は、日本は「流動性の罠」に陥っている(アメリカは陥っていない)からだ、と指摘しています。

    ◆「流動性の罠」とは、「貨幣(すなわち流動性)への需要が無限に大きくなっているため、金融緩和によって貨幣供給量を増やしても、無限に大きい需要に吸い込まれて金利が低下しない(野口氏著書より)」ことです。実際に、日本では名目利子率は最低水準にあるため、これ以上低下しようがありません。しかし、それにもかかわらず、投資支出は伸びていません。

    ◆ケインズは、この状態では金融政策は効力を発揮しないとして、財政政策による有効需要の創出を訴えます。実際に、エコカー減税、エコポイント制度といた財政政策による需要の創出は、絶大な効果を発揮したと野口氏は指摘しています。ただし、このような人為的な需要創出政策を永続することは難しいため、別の処方箋が必要だとも指摘しています。

    ◆再度、岩田氏の主張に戻ると、岩田氏は貨幣供給量を増やす政策を実施し、政策への信頼が醸成されれば、貨幣供給の増加によってモノ・サービスへの需要が増加し、将来的には物価は上昇すると市場は予測する(デフレを脱却できる)としています。野口氏は、これに対して、貨幣供給量を増やしても、貨幣需要に吸い込まれ、モノ・サービスへの需要は増加しないとしました。

    ◆新興国の台頭によるデフレ、という点では岩田氏・野口氏の意見は割れていますが、一部の品目の物価下落が他の品目の物価上昇に結び付かないという点では、両氏の意見は一致しています。そして、貨幣需要の増大が、デフレの主因であることも共通しているようです。両氏の違いは、その貨幣需要の規模にあるようです。

    ◆金融政策で貨幣需要を上回る貨幣供給が可能かどうか。デフレの処方箋を考える上で、そのデフレの背景にある貨幣需要の問題について、両氏の認識は大きく異なっています。

    ※「その3」に続きます。



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    2012.01.24 Tue  - 経済 -   コメント 8件

    コメント

    No title
    途中ですがすみません。

    >一方、岩田氏の著書では、このようなデフレの定義の根幹には触れられておらず、デフレは前提条件として主張が示されます。

    デフレの定義の根幹というのが、デフレの定義ということであれば、「デフレと超円高」P115に「デフレとは何か」で詳細が書いてあるのではないでしょうか。



    >価格下落は新興国の台頭によって引き起こされた

    これもすでに野口旭氏を含めた複数の経済学者から否定されております。

    一般価格と相対価格も、野口氏の解釈は政府にも否定されるでしょう。

    以下、2001年度(平成13年度)の経済財政白書より抜粋
    「良いデフレ論」は問題あり。現在発生しているのは、中国からの輸入拡大、ITによる個別価格の下落(「相対価格」の変化)だけでなく、「一般価格」の(デフレ)である。デフレは経済に悪影響
    http://www5.cao.go.jp/keizai3/2001/1204wp-keizai/setsumei.pdf





    >また、製造業の比率が日本よりも低いため、賃金の下落も大きな影響を与えなかったとしています。

    2005年のアメリカの製造業のGDP比は12.1%。
    日本の2005年の製造業はそれより7-8ポイント高い、19.8%です。そこまで低いといえるのでしょうか。
    そもそもアメリカもそうですが、外需依存が低い日本で、輸入が国内物価へ与える影響はほとんどないと、原田泰氏の「奇妙な経済学を語る人びと」で掲載されています。



    >日本では名目利子率は最低水準にあるため、これ以上低下しようがありません。しかし、それにもかかわらず、投資支出は伸びていません。

    これも同P79の図表16から見てとれるように、実質金利が名目金利を上回っていることがその理由にになるのでは?実際にリーマンショック以前の08年後半までは実質の金利が下回り、いざなみ景気と重なります。


    >どちらの主張を信じ、経済の問題を読み解くべきでしょうか。

    というのが今回の趣旨かと思われますが、上記から岩田氏の主張を自分は信じます。
    2012.01.25 Wed l ラヴログ. URL l 編集
    Re: No title
    H24.1.25 ラヴログ反論


    >途中ですがすみません。

    いえ、長々と書いておりますので、お読み頂き恐縮です。コメントありがとうございます。


    >デフレの定義の根幹というのが、デフレの定義ということであれば、「デフレと超円高」P115に「デフレとは何か」で詳細が書いてあるのではないでしょうか。

    野口氏は「サービスの価格はほとんど低下しなかった」とし、岩田氏は「非輸入競争財の価格までも軒並み下がっている」と記載していますが、岩田氏の著作は実際の数値データが記されていないということを指摘する趣旨で、そのように記載いたしました。


    >>価格下落は新興国の台頭によって引き起こされた

    >これもすでに野口旭氏を含めた複数の経済学者から否定されております。

    >一般価格と相対価格も、野口氏の解釈は政府にも否定されるでしょう。

    >以下、2001年度(平成13年度)の経済財政白書より抜粋
    >「良いデフレ論」は問題あり。現在発生しているのは、中国からの輸入拡大、ITによる個別価格の下落(「相対価格」の変化)だけでなく、「一般価格」の(デフレ)である。デフレは経済に悪影響
    http://www5.cao.go.jp/keizai3/2001/1204wp-keizai/setsumei.pdf

    誰が肯定し、誰が否定するかは余り問題ではないと思います。ご指摘を逆にすると、野口旭氏ら複数の経済学者が否定しても、野口悠紀雄氏は否定していないともいえます。また、野口氏の主張は政府に否定されるかもしれませんが、岩田氏の主張も日銀に否定されるかもしれません。

    野口悠紀雄氏の主張が岩田氏や野口旭氏に批判されていることは、野口悠紀雄氏のウィキペディアのページにも記載されるくらい有名なようです。岩田氏と野口旭氏が否定したとしても、学説のどちらが正しいか、定まった訳ではないと考えます。従って、本稿では「二つの解釈」として記載しています。


    >>また、製造業の比率が日本よりも低いため、賃金の下落も大きな影響を与えなかったとしています。

    >2005年のアメリカの製造業のGDP比は12.1%。
    >日本の2005年の製造業はそれより7-8ポイント高い、19.8%です。そこまで低いといえるのでしょうか。
    >そもそもアメリカもそうですが、外需依存が低い日本で、輸入が国内物価へ与える影響はほとんどないと、原田泰氏の「奇妙な経済学を語る人びと」で掲載されています。

    しかし、図表が示す通り、工業製品、耐久消費財の価格は下がっています。そのメーカーの多くが、海外との競争の結果、物価を下げていると主張していますが、その言葉は信じてはならないということでしょうか?

    トヨタが韓国産の部品を調達しようとしている点も低価格であることが大きな理由であると思いますが、こうした動きを「奇妙」ということはあまり適切とは思えません。



    >>日本では名目利子率は最低水準にあるため、これ以上低下しようがありません。しかし、それにもかかわらず、投資支出は伸びていません。

    >これも同P79の図表16から見てとれるように、実質金利が名目金利を上回っていることがその理由にになるのでは?実際にリーマンショック以前の08年後半までは実質の金利が下回り、いざなみ景気と重なります。

    野口氏の主張はリーマン・ショック以前を念頭に置いたものだと考えますが、実際はGDPも成長し、失業率も低下し、設備投資も増えています。その点では、野口氏の著作の記載も粗いと思います。



    >>どちらの主張を信じ、経済の問題を読み解くべきでしょうか。

    >というのが今回の趣旨かと思われますが、上記から岩田氏の主張を自分は信じます。


    物価下落の原因に関する説明は、私は野口氏の方が明瞭だと思っています。

    ただ、デフレの定義は、野口氏が言うような「一様な物価下落」がデフレなのか、相対的に下落幅の違う物価下落でもデフレなのか、はっきり分かりません。教科書だけ読めば野口氏の意見が適切かもしれませんが、インフレの時期も全ての物価が等率で上昇した訳ではないでしょうから、余り納得できていません。




    2012.01.25 Wed l Liberalist77. URL l 編集
    申し訳ありません。
    返信ありがとうございます。

    >誰が肯定し、誰が否定するかは余り問題ではないと思います。

    全くそのとおりです。
    多数決ではないです。

    お詫びして発言を取り消したいと思います。
    申し訳ありませんでした。

    またコメントさせてもらいますのでよろしくお願い致します。
    2012.01.26 Thu l ラヴログ. URL l 編集
    No title
    懲りずに再反論です。

    >岩田氏の著作は実際の数値データが記されていないということを指摘する趣旨

    そうでしたか。
    P101の図表18もそれにはあたりませんか?


    デフレについては確かに定まった定義というのがないようですね。(継続的な物価の下落という共通項はみられますが)
    ただ、政府の発表する消費者物価指数が代表的な一般物価指数であり、相対価格と違うのです。

    野口悠紀雄氏はそれを否定しているのですよね?
    デフレは一様な物価下落であり、現在の日本は、新興国の台頭と、耐久消費財の価格下落でデフレではないと。

    ですが、氏の一般価格と相対価格についての解釈はミクロ的ではないでしょうか。
    デフレというのはマクロ経済学で扱う現象ですが、氏は、相対価格というミクロでの価格低下と一般物価のマクロを混同していると考えます。

    ミクロが集まればマクロにはなるので、全く無関係というつもりはありません。
    その及ぼす影響についてですが・・・

    冒頭の氏のグラフへの突っ込みは趣旨に反することになりますが、工業製品で繊維、食料、石油製品除くというと他の工業製品しか残りません。それと耐久消費財ということですけれども、工業製品で14.79、耐久消費財では6.6しかありません。
    消費者物価を決定するウェイト(消費支出に占める割合)は、サービスで50.6。
    http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001085049総務省 統計局の統計データより

    工業製品の中でも目立って下がっているその他の工業製品、それに耐久消費財を取り上げ、サービスは全体で見るというのは公平ではないと考えます。
    それなら、サービスで同じようなウエイトの帰属家賃や、民間家賃という価格が下がっているものを取り上げるとグラフも変化するでしょう。ウエイトが0.22と極端に低いですが教育関連サービスなどは半分に価格を減らしています。

    つまり、消費者物価はサービスによる寄与が大きいのです。それでも消費者物価は上昇していない(マイナスの数値のとき)ということはサービスの価格低下を示すことになります。(だけではないでしょうけれども)




    >しかし、図表が示す通り、工業製品、耐久消費財の価格は下がっています。そのメーカーの多くが、海外との競争の結果、物価を下げていると主張していますが、その言葉は信じてはならないということでしょうか?

    トヨタが韓国産の部品を調達しようとしている点も低価格であることが大きな理由であると思いますが、こうした動きを「奇妙」ということはあまり適切とは思えません。



    工業製品、耐久消費財という個別の価格低下は相対価格の低下ですからミクロでの話だと思うのですが。すみません、よく意味するところが伝わらなかったので、よろしければ詳しくお聞かせください。

    クルマの価格は輸入部品(現在タイショクの影響でも分かるように、組み立ては日本でも、その部品は海外調達が進んでます)を採用しても値下げされていませんよね。むしろ価格は維持か、値上げしています。(プリウスもレアアース絡みとはいえ、値上げしました。)

    海外生産のマーチですら、その値を下げていないです。
    旧型価格http://kakaku.com/item/K0000287247/catalog/#tab
    新型http://kakaku.com/item/K0000287248/catalog/#tab

    ところでなぜ奇妙ということが適切ではないと思ったのでしょう。そのように受け取ったのはなぜでしょうか。
    2012.01.26 Thu l ラヴログ. URL l 編集
    Re: 申し訳ありません。

    ご丁寧なコメントありがとうございます。

    いつも冷静な意見交換をさせていただき恐縮に感じております。今後ともよろしくお願いいたします。

    いただいたご意見に返信させていただきたいと考えておりますが、少しお待ちいただけると幸いです。
    迅速に対応できず、申し訳ありません。何とぞよろしくお願いいたします。


    2012.01.26 Thu l Liberalist77. URL l 編集
    Re: No title

    コメントありがとうございます。


    > >岩田氏の著作は実際の数値データが記されていないということを指摘する趣旨
    >
    > そうでしたか。
    > P101の図表18もそれにはあたりませんか?

    ご指摘の通りです。著書のグラフを逐一見ていたつもりですが、「軒並み下落している」と記載しているまさにそのページにありました。お詫びして訂正いたします。


    >
    > デフレについては確かに定まった定義というのがないようですね。(継続的な物価の下落という共通項はみられますが)
    > ただ、政府の発表する消費者物価指数が代表的な一般物価指数であり、相対価格と違うのです。
    >
    > 野口悠紀雄氏はそれを否定しているのですよね?
    > デフレは一様な物価下落であり、現在の日本は、新興国の台頭と、耐久消費財の価格下落でデフレではないと。
    >

    デフレの定義は私も断じえませんが、先述の通り、全ての物価が一様に上がればインフレで、一様に下がればデフレというのは、社会通念としては、ちょっと理解できないと考えています。高度成長期のインフレも、決して物価が等率に上がり続けた訳ではないでしょうから、その意味で、ご指摘の通り、物価指数で判断すべきだと考えます。前年比下落していれば、デフレ、上昇していればインフレと考えることが自然ではないかと考えます(経済学の世界では、学者間にも議論があるようですが・・・)。



    > ですが、氏の一般価格と相対価格についての解釈はミクロ的ではないでしょうか。
    > デフレというのはマクロ経済学で扱う現象ですが、氏は、相対価格というミクロでの価格低下と一般物価のマクロを混同していると考えます。
    >

    デフレの定義に関しては、相対的に価格の下落幅が異なるので、本来はデフレではない、という見解のようです。しかし、一般的にデフレと呼ばれている現象については、マクロとミクロの混同は私はないと思います。野口氏自信も著作の中では、マクロとミクロの混同を戒める記載があります。

    野口氏はマクロ経済学でいうところの総供給曲線の下方シフトと流動性の罠が物価下落の原因であるとしています。流動性の罠に陥っている場合、総需要曲線は垂直になる(物価の変動にかかわらず、需要は変わらない)ため、総供給曲線の下方シフト分だけ、物価が下落する(需要の拡大によって物価下落に歯止めをかけることができない)としています。

    その3で記載しようとしていた内容なのですが、新興国からの安い工業製品の輸入は国内の物価を下落させた。しかし、経済が流動性の罠にかかっているために、これが利子率を下げる効果はなく、住宅投資や設備投資が刺激されることがなかった、という主張のようです。

    ただし、2000年代の消費者物価指数は上昇したり下落したりを繰り返す中で、設備投資などは拡大しており、この点の数値データは野口氏の著作からは欠落しています。これは野口氏の著作の欠点だと考えます。



    > ミクロが集まればマクロにはなるので、全く無関係というつもりはありません。
    > その及ぼす影響についてですが・・・
    >
    > 冒頭の氏のグラフへの突っ込みは趣旨に反することになりますが、工業製品で繊維、食料、石油製品除くというと他の工業製品しか残りません。それと耐久消費財ということですけれども、工業製品で14.79、耐久消費財では6.6しかありません。
    > 消費者物価を決定するウェイト(消費支出に占める割合)は、サービスで50.6。
    > http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001085049総務省 統計局の統計データより
    >
    > 工業製品の中でも目立って下がっているその他の工業製品、それに耐久消費財を取り上げ、サービスは全体で見るというのは公平ではないと考えます。
    > それなら、サービスで同じようなウエイトの帰属家賃や、民間家賃という価格が下がっているものを取り上げるとグラフも変化するでしょう。ウエイトが0.22と極端に低いですが教育関連サービスなどは半分に価格を減らしています。
    >
    > つまり、消費者物価はサービスによる寄与が大きいのです。それでも消費者物価は上昇していない(マイナスの数値のとき)ということはサービスの価格低下を示すことになります。(だけではないでしょうけれども)
    >

    そのサービスの価格ですけど、確かに低下していますけど、明らかに微減ではありませんか?H18年平均が100.6でH22年平均が100.0です。

    一方で、総合、財ともにH20年には指数が102、103と上昇しています。この時のサービスは101、これはエコポイント制度などの時期と重なると思いますが、財政政策が効力を発揮したという野口氏の意見は一応実数値と適合しているのではないでしょうか?

    工業製品が与える影響は決して小さいものではないと思うのですが、いかがでしょうか?


    >
    > >しかし、図表が示す通り、工業製品、耐久消費財の価格は下がっています。そのメーカーの多くが、海外との競争の結果、物価を下げていると主張していますが、その言葉は信じてはならないということでしょうか?
    >
    > トヨタが韓国産の部品を調達しようとしている点も低価格であることが大きな理由であると思いますが、こうした動きを「奇妙」ということはあまり適切とは思えません。
    >
    >
    >
    > 工業製品、耐久消費財という個別の価格低下は相対価格の低下ですからミクロでの話だと思うのですが。すみません、よく意味するところが伝わらなかったので、よろしければ詳しくお聞かせください。
    >
    > クルマの価格は輸入部品(現在タイショクの影響でも分かるように、組み立ては日本でも、その部品は海外調達が進んでます)を採用しても値下げされていませんよね。むしろ価格は維持か、値上げしています。(プリウスもレアアース絡みとはいえ、値上げしました。)
    >
    > 海外生産のマーチですら、その値を下げていないです。
    > 旧型価格http://kakaku.com/item/K0000287247/catalog/#tab
    > 新型http://kakaku.com/item/K0000287248/catalog/#tab
    >
    > ところでなぜ奇妙ということが適切ではないと思ったのでしょう。そのように受け取ったのはなぜでしょうか。


    ご質問は、輸入が物価に与える影響は軽微という内容でしたので、私の回答が不適切だったと思います。

    しかし、新興国との競争とは輸入だけではないと考えます。海外市場での競争もあるでしょうし、マーチの部品が海外生産に移ったように、国内の部品業者にとっては値下げ圧力がかかっていることも事実です。

    車の値段は下がっていないというご意見ですが、昔と違い、残価設定型ローンなど、月々のローン支払いを抑えた車の購入スタイルも増えており、やはり低価格でなければ売れないという情勢は実在するかと思います。

    外需依存が低いため国内物価に与える影響が軽微ならば、経済界が声を大きくして、デフレ脱却を叫ぶ様は明らかに異様です。異様であるがゆえに「奇妙」という表現になるのかもしれませんが、上記のように工業製品の価格下落や価格上昇が消費者物価指数全体に一定の影響を与える以上、工業製品の価格下落の影響を軽微と位置付けることに疑問を感じた次第です。

    それゆえに「奇妙」という表現は、実態にそぐわないのではないか、と感じた次第です。ただ、ご指摘の通り、これら個々の価格変化を論じることは確かに不毛かもしれません。

    2012.01.27 Fri l Liberalist77. URL l 編集
    No title
    お忙しい中、返信ありがとうございます。
    有意義な意見交換ができたと、勝手ながら思っています。

    「日本を破滅から救うための経済学」を注文しました。
    届いたら読んでみます。

    またよろしくお願い致します。

    追記
    >工業製品が与える影響は決して小さいものではないと思うのですが、いかがでしょうか?

    それについてのエントリを書きましたので、読んでいただければ幸いです。(コメントの必要はありませんので、お気軽に。突っ込みは大歓迎です。)
    http://laboratorylog.blog85.fc2.com/blog-entry-1071.html
    2012.01.27 Fri l ラヴログ. URL l 編集
    Re: No title
    > お忙しい中、返信ありがとうございます。
    > 有意義な意見交換ができたと、勝手ながら思っています。
    >
    > 「日本を破滅から救うための経済学」を注文しました。
    > 届いたら読んでみます。
    >
    > またよろしくお願い致します。
    >
    > 追記
    > >工業製品が与える影響は決して小さいものではないと思うのですが、いかがでしょうか?
    >
    > それについてのエントリを書きましたので、読んでいただければ幸いです。(コメントの必要はありませんので、お気軽に。突っ込みは大歓迎です。)
    > http://laboratorylog.blog85.fc2.com/blog-entry-1071.html


    コメントありがとうございます。こちらこそ、多くの貴重なご指摘を頂戴し、大変勉強させていただきました。
    ブログ、拝読させていただきます。こちらも、ブログをアップデートしましたら、お読みいただけると幸いです。
    よろしくお願いいたします。


    2012.01.27 Fri l Liberalist77. URL l 編集

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