◆筆をとるのも嫌になる、という言葉がありますが、これは100年後には「Wordを立ち上げるのも嫌になる」という言葉に代わるのでしょうか。民主党代表選の報道を聞くにつれ、報道内容にも非常に倦怠感を覚えるのですが、それ以上に候補者の振る舞いに疑念を覚えます。

    ◆政権与党の代表選は、事実上の首相選抜選挙です。その候補者が現実的になることは当然理解できます。しかし、国民が政治家に求めていることと、彼らの見る現実に余りにも大きな乖離がある。「国民が政治家に求めること」を筆者一人が定義することは大変難しいのですが、少なくとも首相や首相が率いる内閣は国民に政策を分かりやすく説明すべきです。

    ◆その説明に際しては、なぜその政策が必要なのか、政策の根底にある「思想」を語ることが不可欠です。

    ◆民主党に政権を委ねられた理由は、いくらでも考えられます。しかし、選挙は政治家の実行力と政策を選ぶものですから、一人一人の有権者がどういう理由に基づいて投票したとしても、政権を委ねられた正当性は、マニフェストが選ばれたということに尽きますし、政権を継続して保有できる正当性はマニフェストを実行することで得られるものです。

    ◆マニフェストを捨てるか、マニフェストが実行できないならば、それは政権を保有する権利がなくなることを意味するはずです。従って、次の首相は当然自分が国民の審判を受けることを前提にすべきです。しかし、それを明言した首相候補はいるのでしょうか。

    ◆私のチェック漏れかもしれませんが、どうも支持率が伸び悩めば、衆議院議員の人気は後2年あるので、もう1回首相は交代できる、と民主党議員も候補者自身も思っているのではないかと疑います。


    ◆民主党の直面する困難な現実は三つあります。

     ①マニフェストの実行を阻むねじれ国会という壁の存在
     ②マニフェスト修正を批判する小沢氏を中心とする民主党内の反発
     ③実行力不足・小沢氏批判による民主党自体への国民の期待感の希薄さ

    です。

    ◆菅首相は、①の問題であるねじれ国会を乗り越えるために、マニフェストを放棄し、同時に脱小沢を推進することで、③の問題である国民の期待感の希薄さを払拭しようとしましたが。それ以前に消費税をめぐる発言の迷走、尖閣諸島問題、東日本大震災への対応力不足などを問われ、結果的に③の問題である国民の期待感をさらに希薄にしました。

    ◆候補者が衆院選で民主党を勝利に導くには、③の問題を解決する必要があります。そのためには①の問題であるねじれ国会という壁を取り払うために大連立を組み、マニフェストを放棄して、政治的実行力を高め、小沢氏を排除ことが妥当でしょうか。

    ◆逆に、まず代表選を勝つために②の問題を解決し、脱小沢路線を修正し、マニフェストを着実に実行して国民の期待に答えるべきなのでしょうか。しかし、その行動は①の問題であるねじれ国会という壁に跳ね返される可能性が大ですが、脱小沢路線を修正しようとする候補者から、合理的な解決策は示されません。

    ◆これでは、国民はどの候補者が首相にふさわしいのか選びようがないと考えます。

    ◆やはり、まず理念を訴えるべきです。理念を訴え、衆院選に挑むべきです。政権交代の原動力は、行政機関や公務員とのしがらみの強い自民党では行政のムダを削減できない、格差社会を深化させた自民党では社会保障改革はできないという見方が根底にあったと考えます。

    ◆では、行政のムダ削減にどれだけ民主党は本気で挑んだのでしょうか。数回の事業仕分けで60年以上続いている戦後の政府機能からムダを削除しきれているのでしょうか。社会保障改革に至っては、一体何をしたのかも不明です。誰の目にもはっきりしているのは消費税を上げようとしていることだけです。

    ◆増税の前にすることがある、と国民は考えている。それを語る政治家はいくらでもいます。大阪府の橋下知事の大阪都構想が注目を集める理由は、知事の発信力もさることながら確かに大阪府と大阪市と二つ行政組織がいるのか、府議会と市議会が必要か、ムダではないかという考え方への共感があります。

    ◆民主党のマニフェストでは、公務員制度改革や地方主権がうたわれています。公務員制度改革でどれだけムダな歳出をカットできるのか、その数字を公務員に求めても、公務員が正確な数字を出すはずがありません。民主党が自ら汗をかいて、その数字を算出し、議員立法を駆使して、公務員制度改革を実行すべきでしょう。

    ◆地方分権をすればどれだけ歳出をカットできるのか、これも中央官庁に正確な答えは期待できませんから、やはり民主党が汗をかき、議員立法等で実行すべきです。そのような努力の先に、それでも税収が足りない、増税、という答えへの納得感が国民に醸成されるものと考えます。

    ◆逆にいえば、民主党がマニフェストの表面的な部分、単に子ども手当という制度を導入する、高校授業料を無償化する、といった税金さえ投入すればできる簡単な政策ばかり追求し、また、その政策で迷走していることにバカバカしさを感じているのではないでしょうか。加えて、それに費用がかかるから増税となると、もはやマニフェストが何のためにあったのか不明です。

    ◆小沢グループはマニフェストへの原点回帰を唱えているようですが、原点のさらに前の原点に回帰し、いかにして戦後の政治システムの不備を正し、効率的な行政を実現するかが民主党政権の宿題なのではないでしょうか。その戦後政治システムの不備を正すことに、旧与党である自民党が抵抗する時、初めて、衆議院選挙の争点がはっきりすると考えます。脱原発もその一つです。

    ◆自民党は郵政選挙後の4年間で首相を4人輩出しました。この例があるから、3人目の首相を選ぶことに民主党議員の抵抗感が低いとしたら、恐ろしいモラルハザードです。3人でも十分に批判されてしかるべき事態です。この3人目の首相で衆院選を迎えるつもりで選挙をやるべきです。である以上、国民に何を訴えたいのか、政策の根本となる理念が非常に重要です。




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    2011.08.27 Sat  - 政治 -   コメント 0件

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