◆今も現在進行形なのか、もう終わった話なのか筆者にはちょっと分かりませんが、フジテレビの韓流ドラマ放映に抗議する運動について、意見を述べたいと思います。

    ◆結論から言えば、発端となった俳優の高岡蒼甫氏のツイッターによる発言もその後の運動も、単に「韓国嫌い」という感情論でしかないのではないでしょうか。韓国の「反日」感情と余り変わらないように感じます。

    ◆高岡氏は「愛国心」という言葉を使用していました。韓流ドラマの地上波放映が、日本文化に対する「侵略」に似た行為に思えるならば、そもそも、戦後日本中を席巻したアメリカのホームドラマやハリウッド映画も同じように批判しないと非常に矛盾した考え方になります。「24」はよくて、「冬のソナタ」はダメなのか、という話になります。

    ◆逆に、日本のドラマである「おしん」は50カ国以上で放映され、ポケモンは世界中の子供たちに受け入れられています。日本のマンガなども同じです。他国のドラマや映画等の進出を批判することは、他国へ日本のドラマや映画等を輸出することを批判していることと変わりません。実際は多くの人が、日本文化が世界に受け入れられていることを誇りに感じていると考えます。

    ◆K-popにも批判的なようですが、安室奈美恵が韓国の新聞に大絶賛され、SMAPが(今度中国公演をやりますが)韓国でも非常に高い人気を得ていることにも問題意識を持っているのでしょうか。彼らは売国奴でしょうか?マイケル・ジャクソンやレディー・ガガを好む日本人は、愛国心が薄いのでしょうか。

    ◆高岡氏の発言は理路不整然、使用している言語も不適切、正直言って「子供に読ませたくない日本語」が満載されています。これもツイッターというツールの性質上やむを得ないことですが、ツイッターというツールの使い手の資質で解決できる問題です。愛国心を唱えるならば、罵声ではない言葉を使用する方がよいのではないかと考えます。

    ◆国のために演技をする、ことが高岡氏の信条ならば、それは個人の自由なので勝手ですが、私は「芸術に国境はない」という格言の方が、高岡氏の信条らしきものよりはるかに勝ると考えます。演技にせよ、文学にせよ、表現は万人に向けて発信されるものでしょう。その受信者を国籍で区分する必要はありませんし、発信者の国籍を問う必要もありません。

    ◆発信者の国籍を問うて、その芸術のよさを問わない思想は、ナチスの退廃芸術、退廃音楽批判に似て、自由を否定する気味の悪い思想です。戦前日本ですら、韓国の文化遺産を破壊せずに持ち帰っています。昨年の夏は、それを返却する行動が問題になりましたが、すると、高岡氏は菅政権の対応には賛成だったのでしょうか。そのあたりの論理が一貫しているのかも不透明です。


    ◆さて、高岡氏の思想や発言はともかく、韓流ドラマも含めて海外ドラマ、海外映画を日本はどうとらえるべきか、が本来問題とすべきものです。先述の通り、筆者は「芸術に国境はない」のだから、海外文化の流入には肯定的です。

    ◆しかし、テレビ局は現在広告収入の減少という経営環境の変化の中にいます。製作費のカットしながら、視聴率をとるというビジネス追及が目立っています。昼から夕方にかけての時間帯は、仮に韓流ドラマでないとすれば、通販番組など番組自体がCMというケースも多く見られます。その一方で、水戸黄門のように日本の伝統的な番組が打ち切りという事態にも陥っています。

    ◆視聴率が総じて低い時間帯に、低コストで輸入した韓流ドラマを放映するという行為は、現在のテレビ局のビジネス環境を如実に物語るものです。これが全てのテレビ局に波及し、ゴールデンタイムも含めて低コストで、日本のテレビ文化の伝統や将来を考えない経営がなされるとすれば、日本文化全体の損失であることは事実です。

    ◆テレビ局、特に東京にある民法のキー局の社員の給与は日本でもトップクラスに高い。私は株主ではありませんが、製作費カットだけでなく、人件費にもメスを入れるべきではないかと考えます。テレビ局が「文化」に対してどのような姿勢で臨み、経営しているのか、それが不明であることが、テレビ局への反感や抗議運動が起こる原因の一部になっているとも考えます。

    ◆他の芸能人がフジテレビを擁護して、「見たくなければ見なければいい」と発言したそうですが、言っていることは正しいものの、売り言葉に買い言葉、という印象は受けます。懇意にさせていただいているブロガーさんは、テレビ局が利用している電波は公共のものだ、と主張され、この発言には否定的ですが、その心情は理解できます。

    ◆もっとも、一度その公共の電波を利用する免許を受けた以上、後は、どのようにその電波を利用しようとも、それはテレビ局の自由です。無論、公共の電波ですから公序良俗に反する報道や番組の放映は批判されるべきですが、韓流ドラマを放映して、免許を剥奪することは不可能です。

    ◆「見たくなければ見なければいい」という表現はともかく、この発言はおそらく正しいでしょう。見る価値がないと人が思えば、自然とその番組は見られなくなります。必然的に番組を打ち切り、視聴率を上げるための方策をテレビ局は考えざるを得ません。テレビ局の放送にも市場原理が働いています。

    ◆番組を放送する側ではなく、結局、見る側の番組の選別によって、テレビ文化は変わっていくのでしょう。視聴者ではなく、テレビ局を批判した発端がそもそも間違っているように思います。

    ◆ただ、時代劇のように今後すたれていきかねない、しかし、日本文化と考えられるものに対しては、助成を図るなど、文化保護の視点は常に持つべきかもしれません。無論、時代劇は日本文化ではない、という考え方も当然成り立ちますので、文化そのものについてもっと議論すべきでしょう。その意味でも、今回の論争は余り建設的な内容とは言い難いと考えます。




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    2011.08.27 Sat  - ナショナリズム -   コメント 1件

    コメント

    No title
    私の感想としましては、論点がちょっと違います。
    この問題の骨子は大きく分けて三つ。
    1.韓国ドラマの人気にそぐわぬ異常な拡大。
    2.韓国を持ち上げる偏向・ねつ造報道。
    3.反日的な表現をどうするか?
    ……です。
    1.はまぁ、許されるかどうかは不明ですが、まだ局の勝手で済む問題でしょう。
    (視聴率を稼げない報道をしていることへのスポンサーへの言い訳はまた別として)

    ですが、2.が一番の問題で。
    演出された大人気、事実に基づかない韓国人の評価、電波法違反(収入に基づいた広告報道は告知すること)が、公共放送のあるべき姿を失っている事実があります。
    (実際、在日韓国人犯罪者の通り名報道や口蹄疫や水道問題を無視した韓国旅行の勧めは国民・旅行者を危険にさらす行動です)

    そして、3.
    被災地を笑う演出、君が代を流さずに韓国国歌を流す反日行動、原発被災者を貶める演出の数々。
    詳しくはこちらを。。。
    http://blog.livedoor.jp/janews/archives/5689578.html

    1.だけならば、そんなに日本人も怒らないでしょう。
    そして、何故かこの問題を論議する場合、1.しか語られないのです。。。
    2011.08.28 Sun l umama01. URL l 編集

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